「難民」と「移民」と「亡命」。
どれも自国から離れることを指すように思いますが、「明確な違いがよくわからない」という人も多いのではないでしょうか?
今回は、これら3つの違いについて調べてみました。
難民とは?
国際連合広報センターによると、
難民とは「迫害のおそれ、紛争、暴力の蔓延など、公共の秩序を著しく混乱させることによって、国際的な保護の必要性を生じさせる状況を理由に、出身国を逃れた人々」のことです。
簡単に言うと、やむにやまれぬ事情で自国から離れなければならなくなってしまった人たちのことです。
自国で暮らしたくても暮らせないのです。
難民にとって、自国に戻ることは危険なことなのです。
移民とは?
なんと、移民については正式な法的定義はないそうです。
ただ、国際連合広報センターによると
「多くの専門家は、移住の理由や法的地位に関係なく、定住国を変更した人々を国際移民とみなすことに同意しています。」
とのことです。
端的に言うと、国をまたいで引っ越しした人たち、という感じですね。
また、移民は「よりよい仕事や教育、家族との同居を求めて、国境を越えて移動する人のこと。」とされることもあります。
難民に比べて切迫感が乏しく、命の危険もなさそうですよね。
つまり、移民にとって自国に戻ることは必ずしも危険ではないのです。
亡命とは?
亡命とは、「政治的な迫害や宗教的対立、経済的理由などで自国以外の国に逃れる行為そのもの」を言います。
ただし、亡命という言葉が使われるのは、政治家や政府関係者、軍人、革命家、あと野球選手やスパイなどが他国に逃れる時に使われることが多いようです。
難民・移民・亡命の違い
難民は、さまざまな理由で自国で暮らすことができず、他国に逃れてきた人たちのことです。
難民にとって自国に戻ることは、非常に危険な行為です。
移民は、理由はさておき定住国を変更した人たちのことです。
移民にとって自国に戻ることは、必ずしも危険ではありません。
亡命は、政治的・宗教的・経済的理由などで他国に逃れる行為のことです。人を指す場合は「亡命者」となります。
一般人以外の人が他国に逃れる時に使われることが多いです。
まとめ
- 難民は、自国で暮らすことが危険なのでやむを得ず他国へ逃れている人たち。
- 移民は、国をまたいで引っ越しをする人たち。
- 亡命は、一般人以外の人が政治的・宗教的・経済的理由などで他国へ逃れること。
移民はともかく、「難民」や「亡命」という言葉が使われなくなる日が来るといいですね。