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自然の脅威・驚異 どっちの「きょうい」が正しい?意味と違いとは?

脅威・驚異

「自然のきょうい」と言われた場合、「脅威」と「驚異」、どちらを思い浮かべますか?

どちらも使えそうですし、どちらが正しいのか迷ってしまいますよね。

実はこれ、状況に応じてどちらも使う可能性があるのです。
不思議ですよね。

そこで今回は「脅威」と「驚異」の意味と違いを調べてみました。

脅威の意味・使い方

脅威とは「強い力や勢いで脅かすこと。また脅かされて危害が加えられたり損害が生じたりするのではないかという恐怖のこと」だそうです。

「脅す(おどす)」と「威す(おどす)」という2つの漢字を使っているのですから、あらがい難い強い力で脅されている感じや、恐怖にさらされている感じがすごく伝わってきますよね。

できれば「脅威」という言葉を使う場面には出会いたくないものです。

例:他国の核の脅威にさらされるのは、もううんざりだ。

例:暴力的組織の脅威に対抗することは難しいが、暴力に屈する訳にはいかない。

例:風でトラックが倒れるのを見て台風の脅威を感じた。

驚異の意味・使い方

驚異とは「驚き不思議に思うことや、驚くほど素晴らしいこと」という意味だそうです。

こちらは「驚くほど他と異なること」という意味なんでしょうね。

脅威とちがって、ネガティブなニュアンスはありません。

例:長い年月をかけてこの美しい鍾乳洞がつくられたという驚異を、目の当たりにした。

例:この不況時に右肩上がりの業績を維持しているということは、驚異的なことだ。

脅威・驚異の違い

脅威は「こわい・恐ろしい」という意味を持ち、人に危害を及ぼしたり危機感を感じさせたりするネガティブなイメージがあります。

驚異は単に驚くだけではなく、「驚くほどすばらしい」といったポジティブな意味を持つ言葉です。

したがって「自然のきょうい」といった場合に「脅威」をつかうと、大きな自然災害などで手のほどこしようがないほどひどい状態が生じた場合などをさすことになります。

一方、「驚異」をつかうと、雄大な自然や景色・生命の不思議など、驚きを持って受け入れざるを得ないような自然の壮大さ・たくましさなどをさすことになります。

まとめ

要点まとめ
  • 脅威は抗しがたい力で脅すこと、またはそれに対する恐怖。ネガティブな意味で使われる。
  • 驚異は驚くほど素晴らしい様子。ポジティブな意味で使われる。

読みは同じ「きょうい」なのに、意味は全く逆ですね。
日本語の奥深さを感じます。

「ネガティブなイメージ=脅威」「ポジティブなイメージ=驚異」と覚えておけば、いざという時に使い分けに迷うことがなくなりますよ。

この記事を書いた人:JZK

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