「教示」「教授」「享受」。
どれも読み方がよく似ていますし、何かを教えてもらったり受け取ったりするようなニュアンスがあるので「使い分けがよくわからない」という人もいると思います。
そこで、今回はこの3つの言葉の違いと使い方、ビジネスシーンでの使い分けについて調べてみました。
教示の意味・使い方
教示は「やり方・手段・方法などを教え示すこと」だそうです。
教える内容は、比較的単純で簡単なことが多いようです。情報を伝える、といった感じですね。
例:ご都合のよろしい日程をご教示いただけないでしょうか?
例:そちらの倉庫内の在庫数をご教示願います。
教授の意味・使い方
教授は「学問・技術・芸術などを教え授けること」。
教える内容は比較的重く、その道を極めた人でないと教えられないようなものが対象です。
たとえて言うならば、大学の先生やセミナーの講師が、学生や参加者にレクチャーをする感じです。
例:弊社顧問として、これからもご教授いただきたいと存じます。
例:現場で役立つコミュニケーションスキルを、受講生にご教授ください。
享受の意味・使い方
享受は「用意されたものを自分のものとして受け入れ、楽しむこと」です。
「享」には「たてまつる・相手にささげる」という意味があるそうで、これが「受(ける)」と合わさってこのような意味になるようです。
上記2つとは全く意味が異なりますね。
「労せず手に入れる」という感じなので、何となく「たなぼた」的なイメージもあります。
例:日本国民のほとんどは、義務教育の恩恵を享受している。
例:山で大自然の豊かさを享受した。
教示・教授・享受の違いは?
教示と教授は教える内容が大きく異なります。
教示は単なる情報伝達、教授はプロフェッショナルによるレクチャー、という感じです。
ビジネスシーンでは大した内容でないのに「教授」を使ったり、逆にその道の専門家に教えを求めるときに「教示」を使ったりしないよう注意しましょう。
享受は、目の前にあるものを手に入れて自分のものとする、という意味なので他の2つとは意味が違います。
ビジネスシーンで使うことは、あまりないでしょう。
まとめ
- 教示は教え示すこと。ビジネスシーンンでは、情報伝達を求めるときに使う。
- 教授は教え授けること。ビジネスシーンでは、プロに教えを求めるときに使う。
- 享受は、用意されたものを自分のものとして受け入れること。ビジネスシーンではほとんど使わない。
迷ったら、「教示=教え示す」「教授=教え授けること」「享受=たなぼた」と思い出しましょう。