「長い」と「永い」はどちらも「ながい」と読み、「続く」というニュアンスのある言葉であることから、使い分けに悩むことがあります。
言葉として発すれば間違えていても気づかれにくいですが、文字にしてしまうと残念な意味になりかねない2つの「ながい」の違いについて、今回はまとめてみました。
長いの意味・使い方
長いには「距離や時間的な隔たりが大きいこと」という意味があります。
また、「のんびりしていてあせらない様」という意味があります。
前者の「長い」は、隔たりが大きいもののゴールがあるもの、つまり有限な物・事などに対して使われることが多いです。
例:ラプンツェルは、長い髪を切られてしまった。
例:彼の絵は、長い時を経てやっと評価されるに至った。
一方、後者の「長い」は比喩的な表現に使われることが多いです。
例:彼女ほど息の長い女優は、あまりいない。
例:子どもの成長は、長い目で見守るしかない。
永いの意味・使い方
永いは「時間的な隔たりが大きいこと」です。
時間以外には使えないんですね。
「永い」は、ほとんどの場合「長い」に置き換えることができます。
しかし、「永い」の方がより一層時間的隔たりが大きく、はっきりとした始まりや終わりのない永続的な意味になります。
例:彼は永い眠りについた。
例:生き物の進化は、今後も永く続くことだろう。
長い・永いの違いは?
「長い」は、時間的・距離的隔たりが大きいものに対して使われます。
特に、始点や終点が明確な場合に使われます。
「永い」は時間的隔たりが大きいものにのみ使われます。
始点や終点が明らかである必要はなく、永続するものに使われます。
「永い」は「長い」に置き換え可能な場合が多いですが、終わりが見えないくらい長い時間を表現する場合には「永い」を使うほうが適切です。
たとえば、結婚する友人に「末ながくお幸せに」という場合には「永く」を使うのが適切といえます。
ここで「長い」を使ってしまうと「いずれ終わりが来ると思うけど、できるだけ長く幸せでいてね」という意味になってしまいます。
とらえ方によっては、必ずしも幸せを祈っていないことになってしまうので気をつけましょう。
まとめ
- 長いは、時間的・距離的隔たりが大きい場合に使う。始点・終点が明確な場合が多い。
- 永いは、時間的隔たりが大きい場合に使う。始点・終点が明確である必要はない。
時間的隔たりは「永い≫長い」ですが、その場の状況に応じて使い分けられるとスマートですね。