「なおざり」と「おざなり」。
字面もよく似ているし、どちらも「いい加減な」という意味で使われる言葉ですよね。
ところで、この2つの違いって何なのでしょうか?
そこで、今回はこのよく似ている2つの言葉の微妙な違いと覚え方、使い方をまとめてみました。
なおざりの意味・使い方
なおざりは漢字で書くと「等閑」と書くそうです。
歴史は非常に古く、平安時代からある言葉とのこと。
言葉の成り立ちとしては、「なお」(そのまま)という言葉に「去り」もしくは「せざり」という言葉がついたという説が有力と言われているそうです。
つまり、やらなくてはいけないことに着手すらせずほったらかしにする、という意味なんですね。
例:彼を信頼して大切な仕事を任せたのに、なおざりにされた。
例:もう8月下旬なのに、夏休みの宿題がなおざりになっている。
おざなりの意味・使い方
おざなりは「御座なり」と書くそうです。
こちらは江戸時代に生まれた言葉だそうで、宴会などの席、つまり「御座」にいるお客さんのランクによって仕事の手を適当に抜く、といった意味から来ている言葉だそうです。
一応仕事はするけれど相手をみて適当な対応をする、ということなんですね。
例:友人宅に行ったが、忙しかったようでおざなりな対応をされた。
例:あの店の店員は、態度がおざなりだ。
なおざりとおざなりの違い・覚え方
なおざりは、そもそもやるべきことをやっていない時に使います。
おざなりは、とりあえずやるべきことはやっているけれど適当な仕事をしている場合に使います。
どちらも「いい加減」という意味なのですが、仕事すらしないなおざりのほうがよりいっそう「いい加減」といえますね。
では、どのように覚えればいいのでしょうか?
なおざりは「そのまま去る」という意味なので、「ざり」=「去り」、あるいは「ざり」=「せざり」と覚えておくといいでしょう。
おざなりは「御座(その場にいる相手)にあわせて適当に手を抜いた仕事をする」ということなので、「御座」の意味をおさえておけば間違えることはないでしょう。
まとめ
- なおざりは「何もしないでそのまま去ること」。そもそもやるべきことに着手すらしていない。
- おざなりは「相手に合わせていい加減な対応をすること」。やるべきことは一応やっている。
「おざなり」のほうがまだマシのような気がしますが、いい加減という点ではどちらも同じです。
相手に「なおざり」「おざなり」と言われないよう、仕事はきっちりしっかりこなしましょう。