「お腹をおさえる」
「要所をおさえる」
「甘さをおさえる」
「おさえる」という動詞には「抑える」と「押さえる」二つの漢字があります。
どっちを使えばいいかわかりますか?
抑えるの意味・使い方
「抑」は音読みでは「ヨク」とよみます。
抑圧・抑制・抑止のヨクですね。
「抑える」という言葉は「抑制する」と言い換えることができるものがあります。
例:嬉しさを抑える。
例:眠気を抑える
例:怒りを抑える。
例でみる通り「感情」の言葉と一緒に使います。
こらえるとも言えますね。
他にも度を越さないように制限するという意味もあります。
例:甘さを抑える。
例:経費を抑える。
また「敵の侵入を抑える」のように事前に食い止める・相手が活躍するのをとどめるという意味もあります。
「防ぐ」と似た意味ですね。
例:強敵を抑えて優勝する。
例:強豪チームの攻撃を1点に抑える。
押さえるの意味・使い方
「押す」という言葉があるように物理的に力をこめる場合は「押さえる」を使います。
例:ドアを押さえる。
例:お腹を押さえる。
例:傷口を押さえる。
他にも大切な点を確実に理解するという意味もあります。
例:要所を押さえる。
「差し押さえる」という言葉があるように、自分のものとして確保するという意味でも使います。
例:ゴールデンウィークのホテルを押さえる。
例:スケジュールを押さえる。
抑えると押さえるの違いは?
「抑える」と「押さえる」少し理解できたでしょうか?
では「ポイントをおさえる」「要点をおさえる」「予約をおさえる」はどれを使えばいいでしょうか。
ポイントと要点は同じ意味ですね。
理解するという意味ですから「押さえる」が正解です。
予約は「確保する」ものですから、これも「押さえる」ですね。
物理的なものは「押さえる」というのはわかりやすいですが、抽象的なものはちょっと混乱しやすいですね。
抽象的なものの場合、上からおさえこまれる場合は「抑える」、ピンポイントで大切なものの場合は「押さえる」と覚えるといいかもしれません。
では「敵をおさえる」という場合はどちらを使うでしょうか。物理的に敵に接触して動きを封じる場合は「敵を押さえる」と書きます。
犯人を包囲して敵の攻撃を防ぐという意味の場合は「敵を抑える」と書きます。
漢字によって、読んだときの受け取り方が違いますね。
まとめ
- ①物理的なものは「押さえる」
- ②理解する・確保するという意味の場合は「押さえる」
- ③抑制・制限・防ぐという言葉に置き換えられる場合は「抑える」
①は感覚的にわかりやすいですよね。
②③を「押さえれば」この言葉は完璧です!