「鑑賞」と「観賞」。
読み方はどちらも「かんしょう」ですよね。
会話の中ではあまり意識することはないかもしれませんが、文字で表すときに「どっちの「カンショウ」を使えば良いんだろう…」と悩んだ経験のある方も多いと思います。
そこで今回は、微妙に違う「鑑賞」と「観賞」の違いについて調べてみました。
鑑賞の意味・使い方
鑑賞は「芸術作品などを味わい理解すること」です。
「芸術作品」というと堅苦しい気がしますが、映画や音楽、絵画など人が創造したあらゆる作品が含まれます。
また、「鑑」には「良いものと悪いものを見定めること」という意味があるので、みる人によって良し悪しの評価が分かれるもの、と考えると良いかもしれません。
たとえば、コンサートなどは「今日の演奏は良かった~」という感想から細かい評価に入ることが多いと思います。
このように良し悪しで評価できるものには「鑑賞」を使います。
例:フランスへ行き、ルーブル美術館にあるすべての作品を鑑賞したい。
例:歌舞伎を鑑賞したことのある日本人は、意外に少ない。
観賞の意味・使い方
観賞は「みて楽しむこと」です。
「観」には「見る」という意味があるので、「目にうつるものを楽しむ」という意味ととらえればいいでしょう。
また、ターゲットは芸術作品ではなく、景色や動物・植物などの場合が多いです。
例:このホテルでは、夏になるとホタルを観賞することができる。
例:植物園で、熱帯地方にしかない植物を観賞してきた。
鑑賞と観賞の違いは?
鑑賞のターゲットは、人が作り出した作品全般です。
みる人によって好みや評価が分かれることも特徴です。
観賞は、景色や動植物がターゲットであることが多いです。
そこにあるものをただみて楽しむ、という感じの気楽な雰囲気です。
とはいえ、景色や動植物であっても、ガーデニングのプロが創り上げた庭や、品種改良を重ねた珍しい花などをみる場合には、「鑑賞」を用いるのが良いでしょう。
つまり、みる側がターゲットを「芸術作品」ととらえるかどうかによっても、使われる文字が変わってくるのです。
そして、ライブや絵画、映画は人が作り出した作品なので、基本的に「鑑賞」を用います。
一方で、テレビなどで放送されているものを何となくながめているだけならば、「観賞」を用いても間違いではないでしょう。
さらに、「気楽に楽しんでもらいたい」という思いから、製作者側があえて「鑑賞」ではなく「観賞」を使うこともあります。
まとめ
- 鑑賞は、芸術作品を味わい楽しむこと。
- 観賞は、目に見えるものを楽しむこと。
迷ったら、ターゲットが良し悪しで評価できるものであるかどうかを考えましょう。