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当社・弊社・わが社の違い・使い分け方「文書や社内ではどれを使う?」

当社・弊社・わが社

ビジネスのシーンでよく見る「当社」「弊社」「わが社」という表現。

どのような使い分けが出来るのでしょうか。

違いや意味について詳しく調べてみました。

当社の意味・使い方

「当社」は、自分の会社を丁寧に言い表す言葉、つまり”丁寧語”です。

「うちの会社は」「自分の会社は」という言い方はビジネスの場ではふさわしくないので、丁寧にした表現「当社」が使われるのですね。

使われるのはこのような場面です。

・社内において、自分の会社を表すとき
「当社の今年度の採用人数は、2名を予定しています。」
「今期の当社の目標は、前年比10%増です。」

・社内の会議やプレゼンテーションで、自分の会社とライバル会社と比較するとき
「当社の商品Aに対し、〇〇社のAの方が売れ行き好調です。」

・自社について自信を持って発表するとき
「当社では、長きにわたり、品質向上につとめてまいりました。」

幅広く使うことの出来る言葉ですが、後に見る「弊社」と比べて謙譲の意を含んでいないので、主に社内で使う言葉となります。

上に出した文例のほかにも、自社の文書やスピーチ、自社の見解や方針を述べる際にも使用可能。

また謙遜する必要のない報告書や、論文でも使える表現です。

弊社の意味・使い方

では「弊社」はどのような場面で使うのでしょうか。

「当社」が自分の会社を丁寧に表す”丁寧語”であったのに対し、「弊社」はへりくだって言う”謙譲語”です。

・社外において、自分の会社を表すとき
「いつも弊社のサービスをご利用いただき、ありがとうございます。」
「このたび弊社におきましては、物産展への出店を予定しております。」

・自社の商品を紹介するとき
「弊社の商品は、このようなところが利点です。」

上記の文例のように自分の会社のことを謙遜して使う言葉なので、主に社外で使われます。

「当社」同様、「弊社」も、会話・文書どちらでも使用可能。

ただし論文等でへりくだる必要はないので、文書として使う場合も、相手が社外の人ということが前提です。

「弊社」だと少しへりくだりすぎかな…という場合は、「私ども」と言い換えることも出来るようです。

わが社の意味・使い方

「わが社」は使われ方としては「当社」に似ています。

しかし敬語のニュアンスは含まれていないので、主に目上の方が目下の人に使う表現であるといえます。

・上司が部下に仕事の方針等を伝えるとき
「わが社の今期の方針は~」
「わが社の業績は、右肩上がりです。」

「わが社」というと「私の会社」のようなニュアンスが含まれるので、会社員としてはあまり使わない方が良いかもしれませんね。

当社・弊社・わが社の違いは?

どれも自分の会社のことをいう言葉ですが、

  • 「当社」は自社を”丁寧に”いう言葉
  • 「弊社」は自社を”へりくだって”いう言葉
  • 「わが社」には”丁寧”の意味も”へりくだる”意味もなく、単に自社のことをさす言葉(ただしわが社は社長や役員など、主に目上の人が使う言葉)

という違いがあります。

実は私、「当社」が話し言葉として使われる言葉で、「弊社」が書き言葉として使われる言葉と教わった気がしていましたが、違ったのですね。

どちらも話し言葉でも書き言葉でも使うことが出来るようです。

似たような表現で、相手の会社を表すときに使う「貴社」、「御社」という言葉がありますが、両社とも”丁寧語”にあたり、「御社」が話し言葉、「貴社」が書き言葉として使われるようです。

混同しないよう、気を付けて使っていきたいですね!

まとめ

要点まとめ
  • 「当社」は自社の”丁寧語”/ 主に社内の人との会話・文書で使う
  • 「弊社」は自社の”謙譲語”/ 主に社外の人との会話・文書で使う
  • 「わが社」は”丁寧語”でも”謙譲語”でもなく、単に自社のことをさす(ただし、使うのは社長や役員等目上の人に限られる)

「当社」「弊社」「わが社」の違い、理解できたでしょうか?

正しい日本語を正しく使える人は、ビジネスの場でも信用を得られやすいです。

適切に使うことができるといいですね。

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