家庭で料理をする上でかかせない調味料である、みりん、酢、料理酒。
それぞれどんなときに使う調味料か、説明できますか?
(恥ずかしながら私は主婦になるまでよく知りませんでした…。)
それぞれの原材料と作られ方、料理におけるその調味料の役割は何なのか、順番にみていきましょう。
みりんとは?
みりんとは、もち米、米麹、焼酎でつくられる甘い味の調味料のこと。
みりんの製法
蒸したもち米に、米麹、焼酎を合わせ、60日間ほどじっくり熟成させる。
熟成の後、圧搾、ろ過をし、完成。
みりん独特の香りやうまみ、甘みは、長い熟成期間に産まれるものです。
みりんの役割
- コク、うまみを出す
- 料理に上品でまろやかな甘味をつける
- てり、つやを出す
- 塩カド、酢カドを取る
- 煮くずれを防ぐ
みりんは、煮物に甘味を出すために使ったり、照り焼きのテリを出すために使ったりしますよね。
和食には欠かせない調味料です。
実はこのみりん、約14%のアルコール分を含有しているため、酒税法ではアルコールの一種とされています。
(そのためスーパーでみりんだけお酒コーナーで売られていることもありますね!)
価格が比較高いため、アルコールを1%未満にして酒税がかからないようにした「みりん風調味料」というものもありますが、やはり旨みと甘味をしっかり出すためには、多少高くても本みりんがおすすめです。
酢とは?
酢とは、醸造酒を酢酸発酵してできるすっぱい味の調味料のこと。
酢の製法
穀物や果実を原料にした醸造酒をつくる。
そのお酒に酢酸菌を加え、酢酸発酵させる。
発酵が終わったら味を整えるため1か月ほど熟成させ、ろ過、殺菌して完成。
(原料となる材料の違いで、穀物酢、米酢、りんご酢などバリエーションが生まれる)
酢の役割
- 酸味をつける
- 塩味をやわらかにする
- 食材の変色を防ぐ
- 抗菌作用
- 野菜のアクをとる
酢の物や酢豚、お寿司のシャリなど、こちらも日本の食事にかかせない調味料。
私は酸っぱいものが食べたくなる夏に、消費量が多くなります。
(サラダのドレッシングを作ったり、マリネに使ったりします。)
日本では一番ポピュラーで、さっぱりした爽やかな味が特徴の「穀物酢」、米の甘味が感じられる比較的まろやかな「米酢」、旨み成分を豊富に含み料理にコクを出すときに使える「黒酢」など様々な種類があります。
料理酒とは?
料理酒とは、酒に塩やクエン酸、コハク酸など甘味成分を足し、料理に使いやすくしたもの。
料理酒の製法
蒸したうるち米と米麹、酵母を混ぜて発酵、熟成し、日本酒をつくる。
日本酒に酸味料、調味料などの原料を加え、精製ろ過して完成。
料理酒の役割
- 素材の臭みを取り除く
- コク、うまみを出す
- 素材をやわらかくする
- 味をしみこみやすくする
- うまみを閉じ込める
魚を焼く前に臭み消しとして使ったり、お肉をまろやかに柔らかくしたいときに使ったり、色んな使い方が出来る料理酒。
料理酒は「酒」ですが、食塩等を含んでおり飲料用には不向きなため、分類は酒類ではなく食品となっています。
料理酒の中にも加塩タイプと無塩タイプがあったり、原料が米、米麹、醸造アルコールだけという「料理用清酒」が登場したりと様々な種類があるため、使って比べてみるのも面白いかもしれません。
みりん・酢・料理酒の違い
みりんは食材の煮崩れを防ぎ、てりやつやを出す甘い調味料のこと。
酢は食材の変色を防ぎ抗菌作用もある、酸っぱい調味料のこと。
そして料理酒は素材の臭みを取り除き、味をしみこみやすくする調味料のことです。
代用可能かということですが、まずお酢独特の酢酸の酸味は他の調味料で出すことができない為、酢の代用はできません。
みりんと料理酒は、代用しようと思えば出来ます。
特にみりんがない場合、料理酒に砂糖を加えたもので代用することもあるそうです。
しかしみりんの持つ甘味成分には砂糖を加えて近付くことが出来たとしても、特有の強いコクや旨みは再現することはできず、またみりんの特徴であるてりも出ないそう。
やはり代用ではなく、それぞれの調味料を準備して使うのが一番良さそうですね!
まとめ
- みりんとは、もち米、米麹、焼酎でつくられる甘い味の調味料のこと
- 酢とは、醸造酒を酢酸発酵してできるすっぱい調味料のこと
- 料理酒とは、清酒に塩、もしくはクエン酸、コハク酸など甘味成分を足し、清酒を料理用に使いやすくした調味料のこと
- 酢は代用不可
- 料理酒はみりんで代用可能だが、甘味がついてしまう
- みりんは料理酒と砂糖で代用可能だが、みりん特有のコクや旨み、てりは再現できない(出来るだけ代用せず、それぞれの調味料をそれぞれ適切な場面で使うことが大切。)
何となく違いは分かっていても、それぞれの原材料やどんな役割があるかは知らない人も多いのではないでしょうか。
違いを知って、美味しい料理が作れるようになるといいですね。