「強盗」「窃盗」「恐喝」「万引き」。
どれもヒトのものを盗るという点では同じですが、微妙に違いますよね。
今回は、これら4つの違いと罪の重さについて調べてみました。
強盗とは?
強盗とは「暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取」することです。
強取の対象は、財産上の利益でもかまいません。
強盗の罪は「5年以上の有期懲役」です。
ここでいう「暴行又は脅迫」は、被害者の反抗を抑圧するほどの強いものである必要があります。
窃盗とは?
窃盗とは「他人の財物を窃取」することです。
窃盗の罪は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
窃盗の範囲は幅広く、万引き・置き引き・スリ・車上荒らし・空き巣などはすべて窃盗です。
状況によってはひったくりも窃盗に含まれることがあります。
恐喝とは?
恐喝とは「人を恐喝して財物を交付させる」ことです。
強盗同様、財物は財産上の利益でもかまいません。
恐喝罪は「10年以下の懲役」です。
恐喝も強盗と同じように暴行・脅迫を手段としていますが、こちらは被害者の反抗を抑圧するに至らない程度のもので足りるそうです。
万引きとは?
万引きは窃盗の手口の一つで、「小売店などに陳列している商品を盗むこと」です。
ただし、夜中にこっそり店舗に侵入して商品を盗むのは、万引きではありません。
営業時間内に盗むことを万引きといいます。
万引きの罪は窃盗の罪になるので、「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」になります。
強盗・窃盗・恐喝・万引きの違い
強盗と恐喝は、手段として暴行・脅迫を用います。
ただし、相手の反抗を抑圧するほど強い場合は強盗、それほど強くない場合には恐喝になります。
強盗の罪は5年以上の有期懲役です。
有期懲役の上限は20年なので、5~20年刑務所で暮らすことになります。
ちなみに、執行猶予はつきません。
執行猶予は3年以下の懲役又は50万円以内の罰金にしかつかないので、基本的に強盗罪は対象外です。
恐喝は10年以下の懲役です。
罰金刑になることはありません。
犯罪の内容によっては、強盗罪より長い懲役刑になることがあります。
一方、窃盗は手段として暴行・脅迫を用いません。
そして、万引きは窃盗の一種です。
万引きを含む窃盗罪は10年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
強盗や恐喝と違って、罰金刑になることもあります。
まとめ
- 強盗は、暴行脅迫を手段として被害者の反抗を抑圧し、他人の物や利益を奪い取ること。5年以上の有期懲役刑。基本的に執行猶予はつかない。
- 窃盗は、暴行脅迫を手段とせず他人の物を奪い取ること。10年以下の懲役又は50万円以下の罰金。
- 恐喝は、被害者の反抗を抑圧するほどではないけれど、暴行脅迫を手段として他人の物や利益を奪い取ること。10年以下の懲役。
- 万引きは窃盗の手口の一つ。営業時間内に小売店舗などから商品を盗むこと。10年以下の懲役又は50万円以下の罰金。
窃盗罪は刑法犯の多数を占め、検挙率も低いそうです。
でも、窃盗のつもりでいても、被害者に気づかれケガなどを負わせてしまったら強盗になってしまう可能性があります。
いずれにせよ、これら4つの大きな共通点は「やってはいけない」ということですね。