日本語

交付と配布の違い・意味と使い分け方は?

交付・配布

「交付」と「配布」。

どちらも何かを配るという意味ですが、この2つはどのような場面で使われる言葉なのでしょうか?

モノを配る側・受け取る側に違いはあるのでしょうか?

今回は、知っていないと恥をかいてしまうかもしれない「交付」と「配布」の違いについて調べてみました。

使い分けがうまくできない場合のごまかし方もありますので、ぜひ参考にしてみてください。

交付の意味と使い方

交付とは、「役所や機関などが、一定の手続きを踏んだ人に金銭を供与したり書類などを発行したりすること」です。

公の機関が、条件を満たした一般人に、何かを渡す行為を言うのですね。

例:最近はコンビニや駅で住民票の交付が受けられるので便利だ。

例:仕事に応募したが、ハローワークからの「紹介状」の交付が必要だと言われてしまった。

配布の意味と使い方

配布とは、「多くの人に行き渡るように物を配ること」です。

配る相手は誰でもよく、不特定多数の人に幅広く何かを配る行為を言います。

例:電車のラッシュ時には、広告入りのティッシュを配布している人が結構いる。

例:パンダを見るための整理券の配布は、あっという間に終わってしまった。

交付・配布の違いは?

交付 配付
主体 公共機関 条件なし
対象 条件を満たした一般人
もの 金銭や書類が主

交付の主体は、公的機関です。
交付の対象は、条件を満たした一般人です。
交付するモノは金銭や書類であることが多いです。

配布は主体も対象も、特に条件はありません。

交付するものも誰に渡っても良いモノであることが多く、特に決まりはありません。

日本語博士
日本語博士
なお、「配布」ではなく「配付」になると、またちょっと意味合いが違ってきます。

「配付」は、物を配るターゲットが限定されている場合に使います。
たとえば、試験会場で試験官がテスト用紙を配る場合には、「配付」が使われます。

この場合、ターゲットは「試験を受ける人全員」です。

ややこしいですね。

まとめ

要点まとめ
  • 交付は、公の機関が、一定の手続きを踏んだ一般人に、金銭や書類を渡すこと。
  • 配布は、不特定多数の人に、幅広くモノを配ること。

使う場面が全く違うので、混同しないようにしましょう。

わからなくなったら、「配布=(不特定多数に)配ること」と、漢字をきっかけにして思い出すと良いですよ。

ちなみに「配布」と「配付」で迷ったら、「配布=(不特定多数に)配ること」「配付=(特定の人に)配り付けること」というふうに読みかえると、間違えにくいです。

日本語博士
日本語博士
どうにも使い分けられない場合には、「交付」も「配布」も「配付」も、「渡す・配る」あるいは「もらう・受け取る」などという言葉でごまかせば、たいてい何とかなりますよ。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。