「離す」と「放す」。
読みはどちらも「はなす」ですし、意味も何となく似ている気がします。
でもこの2つ、使い方を間違えるとニュアンスがまったく違ってきてしまうってご存知でしたか?
今回は、そんな微妙な「離す」と「放す」の違いについて調べてみました。
離すの意味・使い方
離すは「くっついているものを隔てる」ことです。
場所を遠ざけたり、距離をあけたり、何かから取り除いたりする場合にも使われることがあります。
一緒になっているものを物理的に分ける雰囲気ですね。
分離・隔離という熟語を思い浮かべるといいかもしれません。
例:この魚は骨と身が離れやすいので、子どもでも食べやすい。
例:ロミオとジュリエットは、離れられないほど愛し合っていた。
放すの意味・使い方
放すは「捕らえられている動物などを逃がして自由にする」ことです。
手で握ったりつかんだりするのをやめる場合や、近くにいるものを遠くへ追いやる場合にも使われます。
その他、矢・弾丸など飛び道具を発射する場合や、放ったらかしにする場合にも使われます。
拘束されている状態や勝手に動けない状態から自由に動ける状態にする、という感じですね。
解放や放置という言葉が端的な例といえます。
例:恩返しを期待して、ワナにかかったツルを放してあげた。
例:近所に大型犬を放し飼いにしている人がいて、本当に困っている。
離す・放すの違いは?
「離す」は、物理的に距離をあけることや分けることに主眼があります。
分離される前のものがどのような状態であるかは、問題となりません。
「放す」は、自由に動けないものを自由にするという意味なので、その前提として対象物が拘束状態あるいは自分の意志で動けない状態であることが必要です。
「手を離す」と書くと、手にしていたものを物理的に遠くに置く、という意味になります。
一方で「手を放す」と書くと、手にしていたものを自由な状態にする、という意味になります。
つまり「手をはなす」は、状況によって「離す」も「放す」も使えるということになります。
気をつけましょう。
まとめ
- 離すは、物理的に距離を置くこと。
- 放すは、自由にすること。
迷ったら「分離」「解放」どちらにあたるかを考えると、間違えにくいですよ。