日本語

以降・以来・以後の意味と違いとは?当日は含む?

以降・以来・以後

「以〇」という言葉はたくさんありますが、それより後という意味の「以降」「以来」「以後」では何が違うのでしょうか。

それぞれの意味と違いをまとめてみました。

以後の意味・使い方

以後というのはあるときより後という意味です。

例:来週の水曜日以後に来てください。

この場合水曜日に行ってもいいかどうか迷いますよね。

「以」のつく言葉はすべてその数字を含めて考えます。

有名なのが「以下」と「未満」です。

「60点以下は赤点」と言った場合60点も赤点ですが、「60点未満は赤点」と言った場合は60点はセーフです。

ですから、10日以後と言った場合は10日も含めてそれより後という意味ですね。

以降の意味・使い方

私の手元の辞書を見ると、以後の漢語的表現と書いてあります。

ということは意味は同じなのでしょうか?

例:10時以降なら暇だよ。

例:来週の水曜日以降に来てください。

上の文は以後に置き換えが可能です。

ですが、置き換えができない場合もあります。

例:10ページ以降に書いてあります。

例:座席番号50番以降のお客様、ご搭乗を開始いたします。

以降には時間以外に順番がそれより後という意味もあります。

これは以後にはない特徴です。

以来の意味・使い方

以来はある時点から今までずっと同じ状態が続いている時に使います。

例:大学を卒業して以来ずっと東京に住んでいる。

例:生まれて以来一度も大きな病気にかかったことがない。

来月以来という言い方がないように過去のことについて使う言葉です。

また、話題の事態が、ある時から今までで1番程度が大きいときにも使います。

例:創業以来最悪の経営不振に陥った。

例:南海トラフ地震が起こった場合、有史以来最悪の地震になるだろう。

例:彼は我が学園始まって以来の天才だ!

辞書には「以来は慎みなさい」というように「今後」という意味でも載っていますが、今このよう言い方はあまりしませんね。

以後・以降・以来の違いは?

例:卒業〇〇ずっと彼とは会っていない。

この場合以後・以降・以来どれでも使えますね。

例:卒業〇〇、彼に3回だけ会った。

これではどうでしょう??

以来は使えませんね。

以来には「ずっと」という意味があるのでその間に起こったことを言う場合には使えません。

以来は「卒業して以来」のように「~て以来」という形でもよく使われます。

例:発売は来年の春〇〇になるだろう。

この場合も以来は使えません。

未来のことは以後・以降を使います。

例:240ページ〇〇は索引になっている。

以後や以来は時間表現のみに使うことができます。

順番の場合は以降しか使えません。

「以後気をつけなさい」を「以降気をつけなさい」とは言わないと書いてあるところもありますが、辞書にはこの使い方も載っているものもあります。

「以降気をつけなさい」というのは間違いではないでしょう。

ただ違和感を持つ人も多いと思うので、「以後」と言ったほうが無難かもしれません。

まとめ

  • 「10日○○に来てください」のように未来の時間のことに関するときは「以降」「以後」の2つが使える。この場合10日当日でもOK。
  • 「卒業○○彼とは会っていない」のように現在から今までずっと続いている場合は「以降」「以後」「以来」のどれでもいい。
  • 「卒業○○彼と3回会った」のように過去から現在までで起こったことを言う場合は「以来」は使えない。ただし、「創業以来最悪の経営不振に陥った」のように程度が大きい場合はOK。
  • 「10ページ○○」「10番目○○」のように順番を表すときは「以降」のみ使える。
  • 「○○気をつけなさい」のように今後という意味では「以降」「以後」「以来」どれでも間違いではないが、「以後」が最も使われる。

いかがでしたでしょうか?

辞書に載っている意味と現在の使われ方が少し違う言葉もありますが、相手に伝わるように言うのが一番です。

伝わりやすい言い方を心掛けたいですね。

この記事を書いた人:らはつま

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。