「回復」と「快復」。
読み方が同じですし、使う場面もなんとなく似ているので使い分けが難しいですよね。
そこで今回は、微妙にニュアンスが異なるこの2つの言葉の違いと使い分けについて調べてみました。
回復の意味・使い方
回復は、「悪い状態になったものがもとの状態に戻ること。一度失ったものを取り戻すこと。」だそうです。
もとの状態に戻る対象物はなんでもいいようで、具体的なモノから抽象的なモノまで何にでも使えます。
つまり、天気がかいふくする、という場合には「回復」を使うことになりますね。
例:政権が交代したからといって、景気が回復するとは限らない。
例:土地の返還にあたっては、原状回復義務が発生する。
快復の意味・使い方
快復は「病気が治ること」。
すなわち、病気以外には使わない言葉なんですね。
また、快復には「完全に治る。すっかり治る。」という意味もあるそうです。
「全快する」や「快方に向かう」と同じように「快」という文字が使われることからも、そのニュアンスは伝わってきますね。
したがって怪我がかいふくする、という場合には「快復」を使ったほうがよいでしょう。
例:早く病気が快復しないだろうか?
例:快復まで3ヶ月はかかるといわれている。
回復・快復の違い
「回復」はどんな場合でも使えますが、「快復」は病気や怪我に対してのみ使うことができます。
なお「回復」は常用漢字ですが、「快復」は常用漢字ではないそうです。
そのため、新聞などでは病気や怪我に対しても「回復」を使うそうです。
ただし日常の場面において、病気や怪我に対してどちらを使うかは文脈に気をつけたほうが良いようです。
「少しずつかいふくしてきた」という場合に「快復」を使ってしまうと、「少しずつすっかり治ってきた」という意味になってしまいます。
したがってこの場合には「回復」を使ったほうが正しいと言えます。
一方、病気や怪我のお見舞いで「かいふくをお祈りしています」と伝える場合には、すっかり治るという意味を持つ「快復」を使うほうが無難でしょう。
まとめ
- 回復は、悪い状態となったものがもとに戻ること。常用漢字。
- 快復は、病気や怪我がすっかり治ること。常用漢字ではない。
困ったら「回復」を使えば大丈夫ですが、日本語の微妙なニュアンスや心遣いを伝えたい場合には、上手に「快復」を使うといいでしょう。
ただし、ビジネスシーンや公文書などには「回復」を使うべきです。
気をつけましょう。