前の年を指す言葉として「前年・昨年・去年・旧年の違いを述べよ!」と言われたら、みなさんはどのように答えますか?
年賀状ではどれを使っていますか?
同じような意味でも、漢字の持つ意味やニュアンスが異なる4つの言葉について今回は調べてみました。
前年の意味・使い方
前年とは「基準となる年の前の年」です。
「基準となる年」が今年とは限らないので、前年は必ずしも今年の前の年ではありません。
相対的な言葉といえますね。
例えば、「この子が生まれた年の前年」という場合、基準は「子供が生まれた年」となります。
とすると「前年」は必ずしも今年の前の年とは限りません。
ちなみに「前年」は、「前年比〇〇%」のように会社の業績などを比較する際によく使われます。
昨年の意味・使い方
昨年とは「今年の前の年」のことです。
そして、目上の人に対して使う改まった言い方です。
文章を書くときにもよく使われます。
また、「前年」と同じように何かを比較をする際(例:昨年比〇〇)にも使われます。
去年の意味・使い方
去年は「今年の前の年」のことですが、「昨年」よりフランクな言い方です。
目上の人にはあまり使わないようにしましょう。
「去」という言葉は忌み言葉にあたるので、おめでたい場面、つまり結婚式などでは使わないようにします。
旧年の意味・使い方
旧年とは「今年の前の年」のことです。
そして「新年を迎えたときに前の年をあらわす季語」です。
つまり、使われるのは新年のあいさつを行う際に限られ、お正月が過ぎたら使われることはほとんどないのです。
前年・昨年・去年・旧年の違いは?
「前年」は基準となる年の前の年を指すため、今年の前の年を指すとは限りません。
一方で「昨年」「去年」「旧年」は、今年の前の年を指します。
「昨年」「去年」は通年で使うことができますが、「旧年」はお正月限定で使われる季語です。
そして「昨年」は「去年」の改まった言い方で、目上の人に使うことが多いです。
「前年」は相対的な言葉なので年賀状に使うことはほとんどありません。
また「去年」は忌み言葉である「去」を含むので、年賀状にはふさわしくありません。
というわけで、年賀状に使うことができるのは「昨年」と「旧年」です。
まとめ
- 前年は、基準となる年の前の年。今年の前の年とは限りらない。
- 昨年は、今年の前の年。改まった言い方。
- 去年は、今年の前の年。フランクな言い方。
- 旧年は、今年の前の年。お正月のみに使うことができる季語。
日常会話で特に気をつけなければならないのは②と③の違いなので、目上ならば「昨年」、そうでなければ「去年」ということをしっかり覚えておきましょう。