「退職」と「辞職」と「離職」。
どれも何らかの事情で仕事から離れる際に使う言葉ですが、どのような場合にどれを使うのが正しいのでしょうか。
そもそも、使い分けは必要なのでしょうか
そこで今回は、使い間違えると退職金にも影響する可能性がある3つの言葉について調べてみました。
退職の意味・使い方
退職は「現在の職から退くこと」です。
退く理由は何でもよく、起業・転職などの自己都合によるものでも、任期満了や定年などによるものでもかまいません。
つまり、自己都合・会社都合を問わず、職から退くことを広く「退職」といいます。
ただし、解雇は退職に含まれません。
例:早期退職して、海外で悠々自適な生活を送りたい。
例:定年退職するまで、ずっとこの会社で働きたい。
辞職の意味・使い方
辞職は「現在の職から自らの意思で退くこと」です。
自らに辞める意志がなければ「辞職」という言葉は使えないのですね。
また、役職についている人が仕事あるいは役職を辞める場合には「辞職」を使い、役職のない人(いわゆる平社員)が仕事を辞める場合には「退職」を使うこともあります。
この場合、立場によって使い分けているんですね。
例:権力闘争に敗れて、会長を辞職することになった。
例:不祥事の責任をとるために、社長が辞職した。
離職の意味・使い方
離職は「雇用関係がなくなって職を離れること」です。
離職には、自らの意思で仕事を辞める場合・会社の規定によって仕事を辞める場合・リストラなどの会社都合で仕事を辞める場合だけではなく、解雇も含まれます。
また、会社が倒産するなどして仕事の継続ができない場合も含まれます。
「離職」という言葉は一般にはあまり馴染みがありませんが、ハローワークや会社の人事担当などではよく使われます。
例:ハローワークへ行く時に、離職票を忘れてしまった。
例:入社してみたら、離職率が異常に高いブラック企業だった。
退職・辞職・離職の違いは?
辞職は、自らの意思で仕事を辞めることです。
また、役職についている人が仕事を辞める場合にも使われます。
退職は、自己都合・会社都合を問わず現職を退くことですが、解雇は含みません。
離職は、職を離れることで解雇も含みます。
辞職<退職<離職
という順で、仕事から離れる理由が広くなります。
まとめ
- 退職は、仕事をやめること。ただし解雇は含まない。
- 辞職は、自らの意思で仕事をやめること。役職についている人が役職や仕事を辞める場合にも使う。
- 離職は、職を離れること。解雇を含む。
仕事を辞める時にうっかり「辞職」という言葉を使ってしまうと、自己都合とみなされて退職金が減ってしまうこともあるようです。
注意しましょう。