「別れる」と「分かれる」。
どちらも一緒になっているものを別々にわけるという意味で、読み方もまったく同じなのですが、この2つにはどのような違いがあるのでしょう?
今回は微妙に違う2つの「わかれる」について調べてみました。
別れるの意味・使い方
別れるは「離れて別々になる」ことです。
離れる対象となるのは主に「人」で、二人以上の人たちが人間関係などそれまでの関係を解消したりする時、つまり「離れて去る」時に使われます。
別居・別離・死別・生き別れなど、「別」を使う言葉の対象が主に人で、もとの状態に戻すことが難しい熟語が多いことからも「離れて去る」というニュアンスであることがわかりますよね。
例:5年前に別れた彼女と、よりを戻して結婚した。
例:戦時中に生き別れになっていた家族と、やっと再会することができた。
分かれるの意味・使い方
分かれるは「まとまっているものがいくつかに離れる」こと。
離れるのは主に「物」や「事」です。
実際、分離・分別・分岐点など、「分」を使う言葉は物や事に使われることが多いです。
こちらはわかれても、もとの状態に戻したり、後戻りしやすいニュアンスです。
例:この化粧水は、2層に分かれている成分をよく混和してから使わなければならない。
例:人生は、分かれ道の多い迷路のようなものだと思う。
別れる・分かれるの違い
「別れる」のターゲットは主に人です。
二人以上の人がそれまでの関係を断ち、わかれて去る場合に使われます。
一度わかれてしまうと、もとの状態に戻すことが難しいです。
「分かれる」のターゲットは主に人以外です。
まとまっていたものがいくつかに離れる時に使われます。こちらは、もとの状態に戻しやすいです。
しかし、「別れる=人」「分かれる=人以外」の原則が当てはまらないものもあります。
たとえば、10人の子供に「5人ずつわかれてグループを作りなさい」というような場合には、「分かれる」を使います。
これは、ひとまとまりであった10人が2つに離れるだけで、わかれて去るわけではないからです。
ちょっとややこしいですね。
まとめ
- 別れるの対象は主に人。関係を絶ち、別れて去る場合に使う。
- 分かれるの対象は主に物や事。まとまっていたものがいくつかに離れる時に使う。
「別れる」は十中八九「人」が対象ですが、「人」が対象でも「分かれる」が使われることがあるので気をつけましょう。
判断に迷ったら、わかれた後に簡単にもとの状態に戻せるかどうかで考えてみるといいですよ。