「お化け」と「幽霊」と「妖怪」。
どれもちょっと怖い存在ですが、この3つにはどのような違いがあるのでしょうか?
今回は、似ているようでちょっと違う3つの違いを調べてみました。
お化けとは?
お化けとは「何かが本来の姿から大きく異なる他のものに化けたもの」だそうです。
そして、幽霊と妖怪もお化けに含まれるようです。
お化けに変化する「何か」はモノでも動物でもよく、物を粗末にするとあらわれる「もったいないお化け」や化け猫などが分かりやすい例ですね。
日常生活では、大きなカボチャを「お化けカボチャ」ということがあるように、平均的なものから大きくかけ離れたものを「お化け〇〇」と表現することがあります。
幽霊とは?
幽霊とは「死んだ人の魂が成仏できずあらわれるもの」です。
もともとヒトなんですね。
この世に未練や恨みがあってあの世に行けず、因縁のある人の前や場所にあらわれるという特徴もあります。
ちなみに、恨みが解消されたり想いが遂げられたりすると、成仏、すなわち姿を消すそうです。
有名な幽霊としては、四谷怪談のお岩さんや番町皿屋敷のお菊さんなどがいます。
「幽霊社員」や「幽霊部員」という言葉あるように、本来存在しないものを存在するかのように装う場合に使われることもあります。
妖怪とは?
妖怪は「ヒト以外のものや動物が化けたもので、特定の場所に出現して相手を選ばず脅かしたりするもの」だそうです。
海坊主は海、河童は川、山姥(やまんば)は山など、場所特異性があるんですね。
また、「人知を超えた怪奇な現象やそれを引き起こす存在」も妖怪と呼ばれます。
たとえば、陰陽師が使役する「式神」も妖怪に含まれるそうです。
ちなみに、幽霊と違って妖怪は「生きている」ものだといわれます。
お化け・幽霊・妖怪の違い
お化けは、何かが本来と違う姿に変化したものです。
幽霊や妖怪もお化けに含まれます。
幽霊はもともとヒトで、妖怪はヒト以外のものです。
姿かたちがヒトであっても、成仏できない魂があらわれたものは「幽霊」、キツネやタヌキが化けたものは「妖怪」です。
まとめ
- お化けは、何かが化けたもの。幽霊と妖怪を含む。
- 幽霊は、もともとヒト。死んでいる。
- 妖怪は、ヒト以外のものが変化したもの。生きている。
なお、著名な民俗学者や国文学者が幽霊や妖怪の定義を試みていますが、さまざまな例外があって一筋縄では行かないようです。
単なる迷信ではなく、生活に根ざした文化としての側面があるのかもしれませんね。