「海抜」と「標高」と「高度」。
どれも高さを表す言葉ですよね。
実はこの3つ、ほとんど同じもの(高さ)を指すということをご存知でしたか?
今回は、この3つの言葉の微妙な違いについて調べてみました。
海抜とは?
海抜とは「近海の平均海面を基準とする高さ」、つまり海面を0mとした場合の高さです。
津波や高潮対策の目安となるもので、特に海に近いエリアでは重要な意味を持ちます。
「え?じゃあ、海抜って場所によって違うの?」って思いますよね。
それについては、標高で解説します。
標高とは?
国土地理院では東京湾の平均海面を0mの基準面とし、基準面からの高さを「標高」としています。
とはいえ、海には波があります。
そこで永田町の国会前庭北地区に「日本水準原点」を設置し、そこを基準点として測量がおこなわれています。
ちなみに、日本水準原点が設置されたのは明治24年で、当時の水準原点の標高は24.5000mでした。
しかし、関東大震災・東北地方太平洋沖地震を経て、現在の標高は24.3900mとなっています。
ここで、海抜と標高についてですが、場所によって海抜や標高が異なると様々な不都合が生じることは明らかです。
そこで、一部の離島を除いて標高と海抜は同じ基準となっており、実質的に同じものとなっています。
なお、海抜と近海の平均海面からの高さを併記することもあります(例「海抜○m(N.P.○m)」)。(N.P.:名古屋港基準面のこと)
高度とは?
高度は「海抜0mを基準とした高さ」のことです。
主に空中での高さをあらわすときに使われます。
基準となるのが海抜なので、標高と同じものを指すことになります。
海抜・標高・高度の違い
海抜は、近海の平均海面を基準とした高さです。
本来は場所によって異なるはずですが、離島などを除いて統一基準であらわされることが多いです。
主に海に近い場所で使われます。
標高は、東京湾の平均海面を基準とした高さです。
実質的には海抜と同じですが、山や丘、土地などの高さをあらわすときに使われます。
高度は、海抜0m地点からの高さです。
飛行機など空中にあるものの高さをあらわすときに使われます。
海抜も標高も高度も、一部例外はありますが海抜0mが基準となるので、実質的にはほとんど同じです。
まとめ
- 海抜は、近海の平均海面を基準とした高さ。離島を除き統一基準であらわされることが多い。海に近い場所で使われる。
- 標高は、東京湾の平均海面を基準とした高さ。地形などをあらわすときに使われる。
- 高度は、海抜0mからの高さ。空中にあるものの高さをあらわすときに使われる。
どれも同じ高さを表しますが、「海抜=海の近く、標高=海から離れた所、高度=空中」と覚えておくといいですよ。