「基準」と「規準」。
どちらも読み方が同じですし、違いもいまいちよくわからない…という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は2つの「きじゅん」の違いと使い分けを調べてみました。
基準の意味・使い方
基準は「行動や判断のよりどころとなる物や数値。一定の標準。」だそうです。
尺度や標準といいかえるとわかりやすいかもしれませんね。
例:リクルートスーツは、黒や紺色を基準とするのがよいと言われている。
例:基準をクリアしなければ、飲料水として販売することができない。
規準の意味・使い方
規準は「判断や行動の手本となるもの。守るべき規範・規則のこと。」という意味だそうです。
守らなければいけないルール、という意味のようですね。
ちょっと社会的なニュアンスも感じます。
例:中学校の校則には、セーラー服や学生服について厳しい基準があることが多い。
例:今どき「女らしさの規準」なんて言葉は、時代錯誤だ。
基準と規準の違いは?
基準はあくまで尺度・標準です。
何らかの理由で、きめられた尺度や標準からずれてしまっても大きな問題は生じないことが多いです。
規準は、守らなければいけないルールです。
ちょっとでも外れたら大問題となってしまうこともあります。
たとえば、「基準」の1つ目の例文で取り上げたリクルートスーツの色は、若干濃くても薄くても問題はありません。
一方、「規準」の1つ目の例文で取り上げたセーラー服や学生服は、他と違ったら大きな問題となります。
それでは、教育・評価・ものさしの「きじゅん」は、どちらを使えばいいのでしょうか?
教育「きじゅん」は教育目標のようなものであって、必ずしも守らなければいけないものではないので「基準」を使うのが良いと言えます。
一方、評価「キジュン」は、「規準」であれば絶対にクリアしなければならない目標を意味します。
「基準」であれば、「規準」に到達するまでに通過するステップという感じになります。
「基準」がいきなり「規準」を超えてしまう場合もあるかもしれませんが、評価「基準」をいくつかクリアして評価「規準」に達するという感じですね。
よくたとえられるのが逆上がりの例ですが、「逆上がりができる」という規準をクリアするまでには、「できない」という基準、「補助があればできる」という基準、「できる」という基準、さらに「ぐるぐる回れるくらいできる」という基準などがあると言われます。
子供の逆上がりの出来具合を評価する時に、規準だけでは足りないので基準を設定する、という感じです。
最後になりましたが、ものさしの「キジュン」は、長さなど数値の尺度なので、「基準」がふさわしいです。
まとめ
- 基準は、尺度や標準。多少ずれても大丈夫。
- 規準は、規範や規則。守らなくてはダメ。
数値に関することであれば、たいてい「基準」で大丈夫です。
絶対的なルールみたいなニュアンスであれば「規準」を当てはめたほうが無難です。
わからなくなったら、リクルートスーツと中学校の制服の違いを思い出してみてくださいね。