中学生や高校生の頃、「〇〇の定理」や「××の定義」で悩まされた方も多いのではないでしょうか。
当時は暗記するのに必死だったと思いますが、数学に出てくる定理と定義の違いって何なのでしょうか。
今回はちょっと懐かしくて、でもやっぱり難しい数学用語について調べてみました。
定理とは?
定理とは「数理論理学および数学において証明された真なる命題」のことです。
ひらたくいえば、すでに正しいことが証明されているテーマのことです。
ちなみに、定理を数式で表したものが「公式」です。
そして数学では「ある一定の条件のもとで定理を述べてそれを証明すること」が中心的な研究となっています。
例えば、ピタゴラスの定理の証明には、相似を用いたもの・正方形を用いたもの・内接円を用いたものなど数百通りもの証明があるといわれていますが、これらは数多くの学者らによって研究され証明されてきたものです。
なお、定理は正しいことが証明されていなければ、どんなにかっこよくてそれらしい命題であっても「定理」とはいえません。
逆に、現在定理とされていないものでも、正しいことが証明されれば「定理」となる可能性があります。
定義とは?
定義とは「用語の意味をはっきり述べたもの」です。
つまり、ある概念を導入する際に用いられる決まり事やルールのようなものです。
そして、定理は定義から導き出されます。
基本的に、一つの用語には一つの定義しかありません。
例えば、円であれば「平面上で、ある定点から等距離にある点の集まり」で、球であれば「空間において、ある定点から等距離にある点の集まり」です。
定義が異なるからです。
定理と定義の違い
定義は、ヒトが決めたルールです。
そして定義から定理が導き出されます。
定義は用語の意味を一義的に決めるものなので、基本的に一つの用語は一つの説明で表されます。
一方で、定理は一つとは限りません。
しかし、必ず正しいことが証明されている命題であることが必要です。
まとめ
- 定理は、定義から導き出されるもの。正しいことが証明されている。一つとは限らない。
- 定義は、ある概念を導入する際に決められるルール。基本的に、一つの用語には一つの定義しかない。
定義をベースに、美しい(?)定理が導き出されるのですね。
定理の美しさを理解し、それをさらっと証明できる頭脳を持ちたいものです。