「止める」と「留める」と「停める」。
どれも「とめる」と読める言葉ですが、微妙に漢字のニュアンスが違いますよね。
たとえばテープで「とめる」には、どれを使えばいいのでしょうか?
そこで今回はこの3つの言葉の違いと使い分けについて調べてみました。
止めるの意味・使い方
止めるは「動いているものを動かないようにする」「継続しているものを途絶えさせる」といった意味を持つそうです。
現在進行系で動いているものの動きをストップさせる、という感じですね。
例:急に後ろから声をかけられて、息が止まるほど驚いた。
例:落雷による停電で、エアコンが止まってしまった。
留めるの意味・使い方
留めるは「固定して離れないようにする」という意味で使われます。
「留める=どとめる」と読みかえると、わかりやすいですね。
こちらは、今現在動いていないものをその場にとどめる、というニュアンスになります。
したがって「紙をホチキスでとめる」「テープでとめる」といった場合は、いずれも「留める」を使うことになります。
例:店の看板をネジでしっかり留めたのに、昨夜の暴風でどこかへ飛んでいってしまった。
例:幼稚園に通う娘が、制服のボタンを一人で全部留められるようになった。
停めるの意味・使い方
停めるは「乗り物を一つの場所にとめおくこと」。
乗り物限定なんですね。
バスの停留所などをイメージするといいかもしれません。
例:家の前に知らない人の車が長時間停まっていて、困ってしまった。
例:こだま号は、駅に停まっている時間が長い。
止める・留める・停めるの違い
止めるは、動いているものを動かなくする時に使います。
留めるは、ものを固定する時、すなわち「とどめる」時に使います。
停めるは、乗り物が一つの場所にとどまる時に使います。
なお「止める」は常用漢字ですが「留める」と「停める」は常用漢字ではないので、公文書などでは「止める」あるいは「とめる」と表記されます。
まとめ
- 止めるは、今動いているものを動かなくすること。常用漢字。
- 留めるは、固定すること。動いていないものをその場にとどめること。
- 停めるは、乗り物を一ヶ所にとめおくこと。
「停める」は乗り物限定なので迷うことは少ないと思います。
しかし「止める」と「留める」については、状況によりどちらを使うべきか迷う場面もあると思います。
このように迷った場合には、常用漢字の「止める」を使うか平仮名の「とめる」を使えば無難ですよ。